ゲームデザイナー不在の制作工程
続いて、山口氏が実際のアニメーション制作過程を巨大なカニ型怪獣ファンタスマラネアを例に解説。
ファンタスマラネア登場シーン
当初、監督には次の4つのコンセプトが提示されました。
・中ボス
・基本的にプレイヤーキャラクターと1対1で戦う
・重量級
・遠距離攻撃が得意
この後、通常、コンセプト アーティストが 2D のイラストでキャラクター デザインを行います。 ただし、ファンタスマラネアの場合は前作『ベヨネッタ』の非戦闘シーンに登場したため、コンセプトアートもそこを流用。 それを元にキャラクターモデラーが仮の3DCGモデルを作成。 アニメーターは仮モデルをもとに、プログラマーと相談して必要なアクションや攻撃方法を考え、仮アニメーションを作成します。 また、その過程で必然的に発生する仮モデルやコンセプトアートの問題点を抽出し、本モデルの制作にフィードバックします。
ファンタスマラネアのコンセプトアートと仮のモデル
アニメーションは大きく「移動」「近距離攻撃」「遠距離攻撃」「ダメージ」の4種類に分けられます。 山口さんは、待機モーションをはじめ、歩く、跳ぶ、踏む、刺す、火の玉を吐く、跳び攻撃、ガードなど、新しい一時的なアニメーションが次々と生み出されていく様子を見せてくれました。 その上で、仮アニメは「ゲームを早く作ることに特化」しており、「スピード」「ノイズがないこと」「ゲームとして機能すること」が重要だと語った。
各アニメーションはゲームデザインと密接に関連しています
「速さ」とはまさにその名の通り、ひとつの動きを生み出すのに早くて数十分。 遅くとも毎日1本の新作アニメが考案・制作されるとのこと。 「No Noise」とは、キャラクターのイメージにそぐわない動きをしないということです。 そして「ゲームとして機能する」ということは、それぞれの動きが「待機(=土台)」「攻撃(=緊張)」「ダメージ(=解放)」のどこに対応するかを考えることが重要だということです。 なる。
仮アニメと本アニメでは必要な要素が違う
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アクションゲームのアニメーションに必要な機能